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真空成形

熱可塑性のプラスチックシートを加熱によって軟化、真空によりシートを成形型に密着させて一定形状に成形、冷却して固化、後工程でトリミングを行い製品にする方法です。
くわしい原理、方法は下の図を参考にしてください。

真空成形には連続成形と単発成形の2種類があり、機械の構造も違います。

《連続成形》

ロール状に巻いてあるシートを使用して連続で成形します。
材料がロール状であるため、0.2~1㎜の薄いものを成形します。
トリミングもトムソン型などで打ち抜くので生産性も高く、低コストで成形できるために大量生産向きの成形方法です。
このような薄いものは他の成形方法では難しく、真空成形法が最も適しているといえます。
ブリスターパックやトレイなど包装、搬送分野で多く使われています。

※当社は連続成形は行っていません。

ただし、当社の単発成形機でもロール状の材料が使える特殊な成形機があります。
こちらは長さが2,000と通常の連続成形機ではできない大型の成形が可能です。

《単発成形》

一般的にはロールに出来ない厚み(2~6mmぐらいが多い)のシートを成形型よりも一回り大きいサイズでカットして、それを人間の手で成形機に1ショットずつ毎回セットして成形します。

肉厚があり、大面積で多品種少量生産に向いているといえます。

当社で行っている真空成形はこの単発成形になります。 車両、重機などの内装外装部品、広告看板、住宅設備部品、アミューズメント関係などの分野でよく使われています。

真空成形プロセス(※単発成形)

真空成形にもいくつかの方法がありますが、原理のわかりやすい最も一般的な方法を説明します。

 

真空成形プロセス①材料(プラスチックシート)を枠でクランプします。

 

②シートを上下からヒーターで加熱して軟化させます。

 

③材料が成形出来る状態まで軟化したら、成形型が上昇して材料を押します。

 

③材料が成形出来る状態まで軟化したら、成形型が上昇して材料を押します。

 

④成形型で押し上げて材料を伸ばします。

 

⑤成形型の表面の小さい穴から空気を吸います。それにより材料が成形型に密着します。

 

⑥冷却して形状を固化します。

 

⑦成形型が下降して成形品と型が離れます。 ここで真空成形機内での加工は終わりです。

 

⑧NCルーターで製品の輪郭で切ります。
このときに穴明けや切欠きなども加工します。
これで成形は完了です。
これで完成の物もあれば、接着組立などの後工程がある場合もあります。

真空成形の長所・短所

《真空成形法の特徴は成形型が安価》

射出成形法は必ず凹凸の金型が必要になりますが、真空成形法は成形対象の樹脂の種類・生産数・形状によって型の材質(木型・樹脂型・金型)を選択出来ます。

また、凹または凸のどちらかのみの型になるため、低コストになります。
成形品の納品までの工程で最も時間がかかるのは型製作期間なのですが、真空成形用の型はその期間が短くなります。

ただし、製品の成形コスト、材料コストは射出成形よりも高くなるため、成形型が小さくて単純な形状で大量生産のものは射出成形の方が適している場合があります。
材料は射出成形法は粒状(ペレット)を使いますが、真空成形は板状(シート)のものを使用します。
材料は真空成形の場合はすでにシートに押出成形されているのでその分、原材料だけでも割高です。

それでも真空成形の方が低コストで済むのは型のコスト差にあります。

成形品が大きいものや、生産数の少ないものは成形型のコスト差がさらに大きくなるので、真空成形法が適していると言えます。
真空成形に適した樹脂は熱可塑性樹脂の中でも伸びの大きいABSやPVC系、PP、PET、アクリル、ポリカーボネイドなどです。

《真空成形型の材質》

当社では試作をケミカルウッドで行い、量産を金型で行うことが多いです。

型の材質 特徴  メリット・デメリット
木型 赤松、姫小松
ほう、
ケミカルウッド
(人工木材)
試作などの少量生産向。安価。製作日数が短い。 価格が安くなる
耐久性が低くなる矢印価格が高くなる
耐久性が高くなる
樹脂型 エポキシ
ポリエステル
量産向。主に試作時の木型をマスター型にして複製して製作。
金型 アルミ、亜鉛合金 強度があり量産向。温度調節が可能。表面状態が良

《真空成形と射出成形との比較》

真空成形 射出成形
サイズ・肉厚 大型・広面積の製品が出来る。薄肉も得意 サイズに限度がある。薄肉は苦手
型費用 安い(射出成形の1/6~1/10) 高い
型製作期間 短い 長い
型の修正変更 容易 時間を要する
厚み 0.1~6.0ミリ成形出来る。偏肉する 注型のため平均肉厚がある。
角R 大きい 小さい
生産ロット 少量でも出来る 多量に必要
材料 不要部分のロスが大きい ロスが少ない
後加工 必要 (トリミング加工) ほとんど無い
製品納期 短い 長い

圧空成形

圧空成形は真空と同時に圧縮空気をかけて成形するので、射出成形に匹敵するシャープな外観が得られ、優れた寸法精度をもちます。
また、肉厚のバランスも優れており、複雑な形状の商品など様々なデザインに対応できます。
ただし、圧力をかけるため成形型は木型や樹脂型では耐久力不足で金型で成形することになります。
また、上部の圧空ボックスも鉄など作るため、成形型は真空成形よりも割高になりますが、凸型、凹型どちらか片面のみなので射出成形よりも型コストは抑えることが出来て、製作期間も短くなります。

圧空成形プロセス

圧空成形の原理を図で説明します。

圧空成形プロセス

①材料(プラスチックシート)を枠でクランプします。

 

②シートを上下からヒーターで加熱して軟化させます。

 

 

③材料が成形出来る状態まで軟化したら、成形型を上昇させ、圧空ボックスを下降させます。

 

 

④成形型の表面の小さい穴から空気を吸い、シートと型との間を真空にして、シートを型に密着させ、同時に上から圧縮空気を送り型にシートを押し付けます。
⑤圧空ボックス内を減圧し、圧空ボックスを上昇させた後、冷却し形状を固化させます。

 

 

 

⑥成形型が下降して成形品と型が離れます。 ここで真空成形機内での加工は終わりです。

 

 

 

⑦NCルーターで製品の輪郭で切ります。
このときに穴明けや切欠きなども加工します。
これで成形は完了です。
これで完成の物もあれば、接着組立などの後工程がある場合もあります。