当社のアクリル板の割れ対策
このページでは飛沫感染対策透明アクリルパーティションの製作上の取り組みについてご紹介します。
当社はアクリル什器、アクリルディスプレイ中心だった時期が長かったことからアクリルの綺麗さと言う長所ばかりでなく、割れるという短所も重視します。
今回の飛沫対策アクリル板は他の用途と違い、不特定多数の方が触れる場面で使われることが多いことから、いつも以上に割れにくい製品づくりを意識しております。
アクリルの割れやすさ
アクリル樹脂は透明度が高く、表面も硬質で歪みが目立たず、端面も磨き加工が可能で、透明の衝立としては最適な素材だと言えます。
しかし、その反面割れやすいという短所があります。
割れる原因は大まかに分けると2つあります。
A.熱加工による収縮による歪みが発生した部分にアルコール等溶剤が付着すると割れが生じる。
B.強い力が加わるとノッチ効果による割れが生じる(主に切り欠きや穴から)。
Aのパターン
「熱加工による収縮による歪みが発生した部分」とは飛沫対策アクリル板では次のものがあります。
コの字曲げ加工したタイプです。
矢印の曲げた部分が加熱してあります。
大きいRで曲げると割れにくいですが、ほとんどの場合は小さいRになっており、この部分をアルコール等溶剤で拭くと割れる恐れがあります。
製造段階では対策がありませんので、拭き掃除はぬるま湯で薄めた中性洗剤を使用して下さい。
長穴にひっかけるタイプの差込式です。
この形状だからといって必ずしも加熱されているとは限りませんがレーザーで切断している場合はこの部分をアルコール等溶剤で拭き掃除をすると割れるおそれがあります。
当社は飛沫対策アクリル板についてはコストは上がりますがNCルーターで加工しています。
レーザーは使用しません。
端面の磨き加工も熱が加わります。
特にガス磨きは端面をガスバーナーで溶かして艶を出します。
この艶のある端面付近をアルコールで拭くとヒビ割れするおそれがあります。
この写真はガス磨きですが、当社は飛沫対策アクリル板にはガス磨きは使用しないことにしています。
この写真の端面はバフ磨きを施してあります。
当社の飛沫対策アクリル板はこのバフ磨きを軽く施してあります。
これも摩擦熱が加わりますが、軽めのバフ磨きなら布を湿らす程度のアルコールであればひび割れしません。
しかし、艶は少なめですのでピカピカの端面をご要望の場合はその旨をお申し付け下さい。
その場合は拭き掃除は中性洗剤をぬるま湯で薄めたものを使用して下さい。
Bのパターン
ノッチ効果とは簡単に言いますと切り欠きや溝や穴などから割れやすくなることです。
例えばレトルトのカレーをライスにかけるときはレトルトパックの小さい切り欠きから引き裂いて中身を取り出します。
切り欠きがあると小さい力で裂くこと出来るようにアクリルも同様に切り欠きや穴があると、小さい衝撃でもそこから割れやすいです。
これは溝を切った部分同士を差し込んで十字にする場合です。
ただ置いておくなら割れませんがアクリル板を肘で押したりして応力が加わると矢印から割れるおそれがあります。
この形状は飲食店やミーティングなど4人で使用する場合が想定され、つい皿やファイルなどで押してしまうと想定し、当社ではこの形状はお奨めしていません。
差し込み用の溝は通常丸鋸で溝を掘るとこのような角が尖った形になり、とても割れやすいです。
当社の規格品のアクリル板のスタンド(足)ですが仕上げにNCルーターでRをつけて割れにくくしてあります。
※R(アール)をつける・・・丸めること。
切り欠きはRをつけると割れにくくなり、この程度のサイズなら効果があります。
上記の十字タイプは高さがあり剛性が足らないのでRつけるぐらいでは割れやすさは解決しません。
窓あきの角のRも割れ対策です。
上記のレーザーによる加熱について説明したものですが、これも切り欠きと穴がありますので組んだ状態で割れるおそれがあります。
長穴と切り欠きはRをつけても、組み合わせて横から力が加わって直角より開いたりすると割れる可能性があります。
当社ではこの形状はあまりお奨めしませんが、あまり人が触れない環境でしたら問題無いと思います。
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