真空成形のトリミング加工 ~真空成形の加工の流れ~

真空成形は、熱可塑性のプラスチックシートを軟化させた後に、シートを成形型に密着させて一定形状に成形する加工方法です。実は、この真空成形は射出成形よりも安価であり、納期も早く、また、小ロット品にも適している、優れた加工方法なのです。当記事では、そんな真空成形の加工の流れ、また、その中でも後工程であるトリミング加工について、ご紹介します。

>>真空成形と射出成形の違いとは?各特徴を徹底比較!

真空成形とは?真空成形の加工の流れをおさらい!

それでは、真空成形の加工の流れを改めて確認してみましょう。まずは、動画をご確認ください。

<真空成形の加工の流れ>

①まず、材料となる熱可塑性のプラスチックシートを設備にてクランプします。
②プラスチックシートを上下から、ヒーターで加熱して、軟化させます。
③プラスチックシートが十分に軟化しましたら、成形型を上昇させ、材料を押します。
④成形型を押し上げて、材料を伸ばします。
⑤成形型の表面の小さい穴から空気を吸います。これにより、材料が成形型に密着します。
➅材料の成形が完了しましたら、冷却して形状を固化します。
⑦成形型が加工して、成形品と型が離れます。ここまでが真空成形の加工の流れです。
⑧後工程として、NCルーターを用いて、製品の輪郭をカットします。この工程をトリミング加工と呼びます。

いかがでしょうか。真空成形の加工の流れ、トリミング加工の工程をお分かりいただけましたでしょうか。次に、当記事のテーマであるトリミング加工について、詳しくご紹介します。

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改めて、トリミング加工とは?

真空成形におけるトリミング加工とは、完成品(真空成形品)の不要な部分をカットし、目的の形状へ整える作業を指します。通常、真空成形のトリミング加工にはNCルーターが用いられます。当社でも、このNCルーターを用いることで、高精度なトリミング加工に努めています。NCルーターでのトリミング加工は全ての工程を機械で制御できるため、均一な加工が可能となります。加えて、NCルーターを用いることで、製品の輪郭部のカット(トリミング加工)のみでなく、2次加工として、穴開け、切欠きの加工も併せて行うことが可能です。

トリミング加工の細かな流れ

上述しましたトリミング加工の細かな流れをご紹介します。

①3DCAD/CAMやティーチングによりNCトリミングの加工データを作成します。

②早速、前工程で完成した成形品をNCトリミングにかけます。

③次に、治具により、成形品をクランプします。十分に固定しないと、切断面がガタガタになったり、成形品が飛んでいく恐れがありますので、注意をしましょう。

④その後、作成した加工データに沿ってトリミング加工を開始し、輪郭に沿ってカットします。

⑤開け加工、切り欠き加工等の二次加工が必要な場合、NCルーターにより併せて加工を行います。

➅トリミング加工後、完成品が出来上がりとなります。前工程の成形品とは不要な部分が切断されて形が変わります。

以上がトリミング加工の細かな流れとなります。ご存知でない方も多くいらっしゃるかと思いますが、実はこれで全ての真空成形の加工工程が終わったわけではありません。この後に、最終仕上げ工程が必要となります。

トリミング加工後の工程?最終仕上げ工程とは?

一体、トリミング加工後にどのような仕上げ加工が必要となるのでしょうか。トリミング加工にて切断した断面は、非常に鋭くなっているので、そのままでは製品として成り立ちません。この断面を整えるために、最終仕上げとして、面取り加工が必要となります。この面取り加工を経て、初めて、真空成形品は製品として出荷することができるようになるのです。(※その後の加工が必要ない場合)

ちなみに、当社では、もちろんトリミング加工、面取り加工を自社にて行っています。さらに、その後の切削、溶接、接着、組み立てまで一貫して対応しております。この一貫対応を活かすことで、高品質な真空成形品を素早くお客様にお届けしています。そんな当社の真空成形の加工例を下記にてご紹介します。

当社の真空成形加工品例をご紹介!

産業機器用センサーカバー(塩ビ 真空成形)

産業機器用センサーカバー(塩ビ 真空成形)

当製品は、材質PVC(カイダック)の真空成形加工品です。割れにくさ、加工性を鑑みて、カイダックを選定しています。当製品は高さがある形状であるため、真空成形時にしわが残りやすいが、独自のノウハウによりしわの発生を抑えています。

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輸送機器用ユニットパネル(ABS 真空成形)

輸送機器用ユニットパネル(ABS 真空成形)

当製品は、材質がABSの真空成形加工品です。耐衝撃性が求められていたため、ABSを採用しています。大型且つ高さがある製品であるため、偏肉が非常に発生しやすい形状であるといえます。そのため、各所にくぼみ等を設置し、偏肉を最小限に抑えています。

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樹脂カバー(ABS 真空成形)

樹脂カバー(ABS 真空成形)

当製品は、材質がABSの真空成形加工品です。当社にて、フランジの反りの発生を防ぐために、形状に工夫を施しています。具体的には、成形型に段を付けたり、逆方向にあえて反らせるといった対策を行っています。

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真空成形のことなら、三栄プラテックにお任せください!

今回は真空成形におけるトリミング加工について解説しました。三栄プラテックでは、真空成形・圧空成形・熱プレス成形から切削・溶接・組立まで一貫して対応しております。特に真空成形加工品としては、外観品質の要求が非常に厳しい、輸送機器関係の成形品を多数手がけてまいりました。その中で培ったノウハウ・技術を活かして、ショックラインの少ない仕上がりが綺麗な真空成形品を製作することを得意としております。真空成形に関することなら、是非当社にご相談ください。お客様のご要望に沿った製品づくりを実現します。

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